まるでタイムスリップしたような感じがする
こ、これはディープだぞ
いやいや、きさらづの西口(みなと口)は、まだまだ侮れないぞ、と。
そんな想いを新たにしたのが、富士見通り沿いから脇に入った路地裏に、ひっそりと隠れるように佇む、昭和感を濃厚に漂わせた歓楽街と遭遇した時である。それは遊興の街、港町木更津の面目躍如といえるものだった。
目を凝らしてよーく見ないと気がつかない、とても細い路地を入ると、その両側にはぴったりと寄り添うように飲食店が立ち並ぶ歓楽街がある。路地の奥行きはあまりないが、そこに漂う空気感はとても濃厚なものが感じられた。
この歓楽街に入った時、なぜかデジャブ感に包まれたような感じがした。あれ、ここには「いつか来たことがあるような…」、そんな気がしたのである。
と同時に、池袋にある「ナンジャタウン」とか。または、お台場の東京デックスにある「台場一丁目商店街」などを、思い浮かべていた。さらにいえば、往年の日活や大映の映画で見たような気がした。それがどの映画かは定かではないが…。
「ナンジャタウン」、「台場一丁目商店街」は、ともに昭和30年代をテーマとした擬似的体験空間を創出したテーマパークおよび商業施設である。日活と大映は、ともに昭和30年代に隆盛した映画会社である。
当方は、昭和30年代の歓楽街を実体験したことはないが、テーマパークの一部や、懐かしの映画の一場面などを通して、まるでデジャブのように思い出されて仕方がない。なお、懐かしの映画でさえ、リアルタイムで観た訳ではない。
ところでテーマパークや昔の映画は、あくまで擬似体験でしかないのに、なぜか懐かしいという想いが募ってくる。それはなんだか、不思議なもんである。
この路地裏にあるレトロな趣の歓楽街は、まるで映画のセットのようである。したがって、擬似体験とデジャブ感が半端なく襲ってくるようだ。しかし、これは現実に、いまそこに現存する歓楽街であるのは間違いないが。
この歓楽街を端的にいえば、「いまそこにある、昔の映画に出てきそうな歓楽街」といえる。なんだか、変な言い回しであるが、そうとしか言いようがない。
とても細くて短い路地裏の歓楽街であるが、そこに漂う懐古的世界は実に濃くて、訪れる人をタイムスリップさせて遠い過去へと導くかのようだ。
まさにディープな世界が、現実から隠れるようにひっそりと佇んでいる。
繰り返しになるが、きさらづの界隈は、まだまだ侮れないぞ、という想いを新たにしました。しかし、同時にいつまでもある訳ではないのも事実である。
ちなみに、この歓楽街のすぐ近くでは、マンションの建設が進んでいます。
この入り口は最近になってやっと気がつきました。よーく見ないとわからない。
歓楽街がある路地裏への入り口は、タイムスリップのゲートかもしれない。そんな想像もしたくなるほど、なんとも不思議な空間が広がっている。
とても短い路地裏であるが、飲食店が密接しているため濃厚な趣が漂っている。
歓楽街の奥から入り口に向かって、入り口の向かいが木更津温泉ホテル跡地
店の看板がうまい具合に猥雑感を見せていて、おもわず感嘆のため息がでる。
このような路地裏の歓楽街は、かつてあった木更津セントラルという映画館の裏辺りにもあったはずと記憶しているが、現在はそのような場所は見当たらない。ちなみに、取り壊されたセントラルボウルとは違います。
セントラルボウルもすっかり跡形もなく更地となり、いまでは重機がマンション建設の下準備をしています。
すぐ近くでは、木更津温泉ホテル跡地でマンション建設が進んでいる。
富士見通り沿いの飲食店の外壁、隣の駐車場もかつては飲食店ではなかったか。
おまけ/いまそこにあるキャデラック
どこだったか、場所は定かではないが、八幡屋旅館の近くだったような…一応レトロつながりで掲載します。
写真:cragycloud
撮影日:2018年7月
撮影した日は、ものすごーい暑さで熱中症になりそうでした。したがって、そそくさと撮ってその場を離れました。近いうちにまた訪れたいと思います。路地裏の歓楽街の夜はどうなっているか、それが気になります。
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