■基本情報|きさらづを探訪する4 中の島大橋と中の島公園 赤い橋にブルーの空が広がる

基本情報
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港に架かる赤い橋と小さな島

これは意外にも、侮れないぞ!

 中の島大橋は、木更津の数少ない名所のひとつである。しかし、地元の人たちにとっては、とくに魅力がある場所とはいえないようだ。なぜなら、その場所へいけば一目瞭然となる、とにかく人がほとんど見当たらないからだ。

 よくある田舎のがっかりする名所とおなじく、中の島大橋もそのひとつに違いない、と当方はこれまで頑なに思っていた。しかし、それは固定観念だった。

 中の島大橋はなんと、意外や意外、あにはからんや、青天の霹靂、とでもいうべきポテンシャルを秘めていたのだ。(意味は適当、雰囲気で察してください)

中の島大橋

 赤い橋の頂上には、透明なブルーの空が広がっていた。

 先日(11月1日)、「木更津は初めてだ」という写真家の村田さんと中心街を散策しながら写真を撮りました。そして木更津港まで足を運んだとき、村田さんが港に架かる赤い橋に興味を示しました、「あれはなんだー」とばかりに。

 写真家の人たちは、フットワークがとても軽やかだ。村田さんも感度がピッピッとばかりに働くのか、それは判らないが、とにかくずんずんと入り込んでいく。そのとき当方は「近くにいけば、きっとがっかりしますよ」と言っていた。

 しかし、村田さんの希望もあり、赤い橋=中の島大橋の近くまで行き、さらにそれを渡ることになった。当方は、木更津の出身であるが、この赤い橋を渡った記憶があまりない。この橋が完成した頃(1975年)は、木更津にはいなかった。

 村田さんは、高所恐怖症だと言いながらもどんどん橋を登っていく、橋のらせん状の部分を登りきると、いよいよ橋の頂上まで一直線だ。そこから先は、なんだかジェットコースターに乗ったような気分が味わえた。

 橋の頂上を下から見上げると、当然頂上の先は見えない。見上げる先には、ただ青い空が広がるばかりだった。すっきりと晴れ渡った秋空には、突き抜けるように透明感のある鮮やかなブルーが広がっていた。

 この日は、ほとんど風もなく、ドピーカンという晴天で、かつ秋なのに暑く感じるほどだった。そして、とても気持ちが良かった。それが幸いしたか、村田さんもいたく気に入ってくれた。中の島大橋は、意外にも侮れなかった。

 自分がいかに固定観念に縛られていたか、とまざまざと気づかされました。すごいぞ、中の島大橋よ、あんたはもっと注目を集めてもいいはずだ。

 固定観念に囚われて久しい地元の大人の皆様も、久しぶりに赤い橋を渡ってみませんか。きっと、心が洗われるかもしれませんよ。

 とにかく、中の島大橋は、がっかりする名所ではない。少なくとも、訪れる人に忘れていた何かを感じさせてくれる、そのような場所であるのは間違いない。

 ただし、もう少し環境を整備してほしいぞ、と言っておくーー。

中の島大橋
「中の島大橋」は日本で一番高い歩道橋として知られており、全長236 m、高さ27.125 m、幅4.5 m。1975年(昭和50年)に完成。木更津港の玄関口にあたり、東京湾へ出入りする船舶はこの橋の下をくぐることになる。

 映画『木更津キャッツアイ・日本シリーズ』で、「恋人と渡ると幸せになれる赤い橋」として有名となった。(ウィキペディアより)

中の島大橋「恋人の聖地」に認定される
 2010年にNPO法人「地域活性化支援センター」により、木更津港にある中の島大橋が「恋人の聖地」として認定された。

 「恋人の聖地」とは、NPO法人「地域活性化支援センター」が主催する「恋人の聖地プロジェクト」により選定されたデートスポット。自然に囲まれた場所、夜景の綺麗な場所、記念品が作られる場所などが選定される。


中の島大橋全景

 中の島大橋の形状は、なかなか綺麗だ。ゆるやかなカーブが美しい。なんだか高速道路のような趣だが、完全なる歩行者専用となっている。ただし、作業車両は別のようだ。当方が訪れた日、公園整備の作業車両の数台が、橋を渡っていくのを目撃している。

中の島大橋は、東京タワーとおなじか
 都市や街のシンボルといえば、とにかく東京タワーである。その東京タワーでさえ、東京住民の多くは行ったこともないと思われる。何を隠そう当方もそのひとりだった。中の島大橋は、その意味合いやポジションがとてもよく似ている。

 ただし、東京タワーには地方からの訪問者が多くいる。そこが唯一の違いか。

中の島公園

 赤い橋=中の島大橋で海を渡ると、小さな陸地にたどり着く、そこが中の島公園だ。3月下旬から7月末まで、潮干狩りを目的に多くの行楽客が訪れる。また毎年8月の木更津港まつりでは、花火の打ち上げ場所ともなっている。

 その他には、ヨットハーバーがあり、数十艘(20くらいか)のヨットが繋留されている。がしかし、あまり活動しているような気配は見受けられない。ゴミも散乱していて、公園の行き届いた整備のされ方とはずいぶんと違っている。

 中の島公園は、小さな島であるが、芝生や植栽はよく整備されていて気持ちが良い。とくに何があるという訳ではないが、晴れて暖かい日に何もせずに寛ぐには丁度良い。ある意味では贅沢な時間が過ごせる、そんな小さな島である。

 何もないのがとてもいい、と個人的には思うが、木更津の住民には物足りないのだろうか。そこを訪れる人はとても少ないようだ。当方が、写真家の村田さんと訪れたときは、ほんの数人を見かけるだけだった。(ちなみに平日だった)

 広い芝生が広がっていて、野外コンサート、その他パフォーマンスなどには打ってつけだが、それらが行われているかは、残念ながら不明である。

 個人的には、演劇をやったらどうかと思うのだが、例えば劇団「新感線」などは野外での活動を得意としている。海に囲まれた小さな島という地形を生かした、かなり見応えのある芝居が見られるに違いない、と思うがいかに。

 それに、県外からの演劇ファンの集客も期待出来るはずだ。とすれば、ホテルなどの宿泊施設とタイアップしてもいいかもしれない。

 それはさておき、中の島公園は、「何もない、何もしない」そんなプチ贅沢を味わうには、とてもいい環境の島だと思う。

 余計な御世話ではあるが、もう少し活用方法を考えた方がいいのではないか。

中の島公園
「中の島公園」は、木更津港に浮かぶ中の島にあり、潮干狩りやフィッシングポイントとして楽しむことができ、木更津港祭りの際には花火の打ち上げ場所となっている。対岸の鳥居崎海浜公園と中の島大橋で結ばれている。

中の島大橋と公園/撮影:cragycloud

おまけ/先行公開 中の島大橋のてっぺんから見る空


中の島大橋の頂上付近から


中の島公園の植栽

撮影:村田賢比古氏

近日、村田賢比古の「木更津界隈寫眞」を当サイトで公開いたします。乞うご期待ください!

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