■基本情報|きさらづを探訪する3 駅前の空きビルはなぜ埋まらない 謎の空き物件の数々…

基本情報
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駅前の需要が高まる日はくるか

 木更津市民であれば、なんの不思議もない日常の光景そのものであるが、一旦それを外から見てみれば、実に不思議と思わざる得ないものがある。

 それが駅前にずーと放置状態の「駐車場という名の空き地」である。さらには、駅近にもかかわらず、ずーと埋まることのないビルの空きスペース、なかにはビル一棟が放置状態になっているものもある。

 放置プレイさながらにその姿を晒すビルは、どこか怪しげな雰囲気を漂わしている。テナント募集の張り紙が痛々しさを通り越している。

 しかし、そのような光景には、木更津市民はもう慣れっこになっている。それが木更津である、といわば諦めの境地か、もしくは居心地がいいのかもしれない。


駅前東口/メインストリート(広い歩道、行き交う人は少ない)

駅近の空き物件の数々

 木更津駅には、西口と東口がある。西口を降りてまっすぐいけば海にどんづまりだ。一方、東口を降りて4車線の道路をまっすぐにいけば、かつての山々が住宅街に変わった郊外へと続いている。

 東西どちらにも空き物件は広がっている。西口には、かつて百貨店の「そごう」が入ったビルがあるが、いまでは「スパークルシティ」と名称を変えている。しかし、テナントは集まっていない。1階にも空きスペースがあり、2階以上には何が入ってるか定かではない。(たしか、上階には市役所の一部がある)

 スパークルシティの右脇を進むと「みまち通り」と書かれたアーチ状の看板がある。その先は全滅した商店街跡であり、看板は単なる名残りでしかない。

 おなじく、スパークルシティの左側には、西口の中心道路である富士見通りがある。その通り沿いには、これまた空き物件が実に多い。道路に面してでかでかとテナント募集と書かれているが、まるで時が止まったかの様に変化がない。

 一方、東口はというと、これまた西口に劣らず空き物件が広がっている。しかも、ずーと前から変化なし、というところが実に多い。東口のバスターミナル周辺だけでも、空き物件のまま放置状態のもの、あるいは更地になってそのまま、または建物が取り壊されて駐車場になったところなどが多く見られる。

 代表的なものが、元ダイエー跡地の駐車場だろう。そこは以前、ラズモールという多目的ビルになっていたが、そこが撤退してからはずーと駐車場だ。いまでは郊外から東京方面などに通勤する人たちが、車を駐めている。なんとももったいない土地活用というしかないが…。

 とにかく、いずれも駅近、それも1分とかからない場所だ。どんだけ需要がないんだ、と思うしかない。いくら商業的に価値がないとはいえ、駅近1分である。しかし、大手チェーンストアでさえ手を出さない。(コンビニはあるが)

 駅前東口を降りてすぐにパチンコ屋があったが、いまでは閉まったままだ。その前を通り過ぎて、細い通りをいくとさらに細い迷路状の道がある。そこを入っていくと、空きビルらしき物件が軒を連ねている。

 なんとなく昭和の匂いを漂わすビルからは、なんの動きも感じられず、ただただ時が経つのをじっと待っている、そんなまったりとした雰囲気がしてくる。

 そのような雰囲気は個人的には、嫌いではない。どこか懐かしくさえ思えて、愛しくなってくる。しかし繰り返すが、そこは駅近わずか1分の場所である。

 空き物件が多いのは、賃料設定が高止まりしたままなのではないか。賃料を少し安くして貸し出す方が、収益に繋がるのように思えるが、素人の浅はかな考えだろうか。

 よくゴミや落書きが増えたまま放置すると、犯罪に繋がっていくといわれる。それとおなじように、空き物件を放置したままだと、それが連鎖していくのではないか。木更津駅前の現状はまさに連鎖しているような気がしてならない。


駅前東口/三越前(健在)、この向かい側や裏側には空きビルがある

駅前の見る夢は、バブルよ再びか

 駅近の空き物件には、なにか目的や思惑があるのだろうか。たぶん、それはあるのだろうと思われる。想像するに、いつかまたバブル期のような土地高騰と、需要の高まりがくるはずと関係者は期待しているに違いない。

 商業的価値は、いま現在は無いに等しいが、ぜったいバブル並みの時期はくるはずという思惑が続いてきたことが、駅前の再開発を遅らせているのではないか。

 はたして、駅前にバブル期並みの需要が高まる日がやってくるか。それは、もはや神のみぞしる、という領域かもしれないがいかに。

 木更津は、土地価格が下がり続けて、東京方面などから移住するにはうってつけとなった。それが幸いして、わずかながらも人口が増え続けてきた。

 もし、バブルが土地高騰をもたらしたら、人口増は終焉を迎えるに違いないと思われる。駅前の価値急騰か、それとも現状まま受け入れるか。

<木更津市の土地価格の推移(年代順)>

 91年をピークに、その後はずーと下がり続けて現在に至っている。しかし、最近は少しであるが、価格が上がっている。これはいい傾向なのか、それとも駅前などの利権者の思惑をさらに先延ばしにさせて、再開発を遅らせることになるか。

 しかし、80年代以降のバブル期は、とんでもない価値を木更津に与えていたというしかない。いまでは、もう笑うしかないことである。いやはや。


引用:https://tochidai.info/chiba/kisarazu/

冒頭画像:駅前西口/富士見通り(左に現スパークシティが見える)
引用:https://blogs.yahoo.co.jp/toshishouken/12135928.html

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