2021年日本の現在
失われた30年だそうです
バブル崩壊以後、失われた時を重ねていまや30年となりました。日本を取り巻く環境は、ずーと負のキーワードの羅列ばかりです。
少子高齢化の進展、デフレ不況、消費増税、商店街のシャッター街化、地方中心街の空洞化、平均賃金の減少、若者の可処分所得の減少、リストラ、パワハラなどなど、さらに昨今ではコロナ禍というパンデミックも追加されました。
なんら、いい予測ができない。どう考えても明るい未来が見えてこない、そんな日本の現状であります。どこか、何かがおかしいぞ、と感じてる人も多いことと思います。かくいう当方もなんかおかしいと思うばかりの昨今です。
2000年代以降、企業はリストラを推進し、政府も企業の収益確保のために派遣法を改正し、非正規労働者を増やしてきました。
大企業は、政府の後押しもあり、非正規労働者を増やしてコストを削減しましたが、それでも一向に業績が上向く気配はありません。(一部を除く)いまや、世界的な企業といえるのはトヨタ(ソニーもあるか)だけではないでしょうか。
シャープは身売りされ、東芝は崖っぷちに、百貨店は衰退し、アパレルは苦境に追い込まれています。アパレルなんて、昨今ではユニクロなどの低価格以外のアパレルを正価で買う人がどれほどいるでしょうか。(一部富裕層除く)
アパレル=ファッション関連商品
かつて、電子立国などといわれた日本ですが、もはや見る影もありません。
一方、未曾有の金融緩和による金融バブルの恩恵に授かる金融会社および一部富裕層もいます。そして都市部のマンションや不動産価格を押し上げてきました。
都市部のマンション価格は、高止まりして平均5千万円といわれます。10年ほど前は、約4千万円といわれていました。マンション価格だけを見ると景気が良さそうですが、最近では都心以外は売れていないそうです。
金融緩和頼みの景気浮揚は、金融バブルを生んだだけでトリクルダウンはありませんでした。もう限界、それを見越して機を見るに敏な外資金融筋は逆張りに転じたかもしれません。逆張りこそ大儲けする機会なのは歴史が証明しています。
日本の政策を立案し、実行するのは、最高学府卒の超優秀な方々です。だから、きっとその政策に間違いはないはず、と思いたいのは山々なのですが…。
その超優秀な方々が推進した半導体事業やディスプレイ事業の再編は、その後どうなったんでしょうか。いまさら言うまでもありませんね。
繰り返しになりますが、なんかおかしい、どこかでボタンの掛け違いをしたんではないかいな、と思わざるをえません。
日本版ニューディールは、まだかいな
当方は経済素人ではありますが、アメリカが1930年代の大恐慌のときに打ち出したニューディール政策のようなことを、日本はいまこそ計画し、実行すべきではないでしょうか。あくまで素人の世迷言ではありますが。
とはいえ、政策決定権を有する超優秀な最高学府卒の方々(〇〇家や〇〇省)は、プライマリーバランス云々といって大反対するのは目に見えています。
はたして日本は、どこに向かうのでしょうか。21世紀も、はや20年が過ぎましたが、やることなすことが旧態依然のままのような気がしてなりません。
さて、みなさまはいかが感じているでしょうか。
東京化が進む千葉県
ここは千葉県、木更津市です
さて、当サイトのテーマである木更津市があるのは千葉県です。この千葉県は、東京や他県の人々からは捉えどころのない県といわれているそうです。
例えば、大都市東京にごく近いのに秘境がある県として有名です。その一方では、ディズニーランドがあり、その周辺地域では東京化が進んでいます。
ディズニーランドは、1983年にオープンする際、千葉ではなく東京を冠に付けました。それがきっかけかどうかは知りませんが、その後千葉県の北西エリアから千葉市あたりまでが、もはや千葉都民となっています。
まーたく、千葉のアイデンティティーよりも東京を選んだといえるでしょう。いやはや、まったく返す言葉もありません。
千葉県は江戸時代、全国最大の26藩に細分化されていたそうです。したがって、ある意味、現在の千葉県は寄り合い所帯ということができます。
現在の千葉県をおおまかに分類すると、北西地域、北東地域、千葉市周辺地域、かずさ地域、南房総地域、外房地域に分類されます。
北西地域と千葉市周辺はもはや千葉都民となって久しく、またかずさ地域も昨今では侵食されつつあります。(東京や他県からの移住多し)
古くからの住民が多く住むのは、南房総および外房といわれています。(千葉原住民といわれる。ちなみに当方もその一人である)
よく埼玉とどっちがださいか、などと比較されますが、上記したように望まざる多様性があるのが、千葉県ということができます。
北西地域の千葉都民、それに近づくかずさ地域、千葉原住民の矜持を支える南房総や外房地域という、複雑に絡み合う県民模様がある意味では面白いといえます。
大都市東京にごく近いにもかかわらず、秘境ともいえる自然環境もまだ健在です。
弱みを逆に活かして強みとする、そんな器用なことが千葉県にできるかどうか判りませんが、潜在的な魅力が、まだまだ隠されているように思います。
さて、木更津市ですが、ご存知のようにアクアライン開通の恩恵を一番受けました。(正確には通行料金が800円になってから)
ちなみに、開通直後はストロー現象(東京や横浜へ一方的に流れるだけ)が起きて、木更津中心市街地の商店には閑古鳥が鳴くようになりました。
通行料金が800円(いまでも暫定的)になって、ようやく首都圏から訪れる人が増えて相互利益を生み出すようになり、木更津にはアウトレットモールなどの大規模商業施設が次々とオープンしています。(最近ではコストコもオープン)
そのようななかで、アクアライン800円効果もなく、取り残された地区があります。それは、なんと木更津市の中心市街地であります。
木更津市の中心市街地は、かつてはかずさ地域を代表する繁華街(とくに駅西口)として有名でした。しかし、大店法の緩和、アクアライン開通などを経たあと、現在では朽ちたアーケードが、かろうじて繁華街の面影を残すのみとなっています。
中心市街地の活性化とは
なにか違うことを考えよう
現在、日本全国どこの地方都市でも中心市街地の空洞化という現象が起きています。そして、地方の繁華街は存亡の危機にさらされています。
モータリゼーション(車社会)の進展とともに、郊外にはショッピングセンターなどが次々とオープンし、中心市街地(商店街)の存在感が失われてきたのは、いまさら言うまでもありません。
中心市街地とは、公共交通の要である駅を中心に、公共施設、病院、商店街、ビジネス街などがある周辺地区のことをいいます。
また、少子高齢化の時代背景もあり、コンパクトシティを目指す自治体では近年、都市観光、まちなか併任、歩いて暮らせるまちづくり等、中心市街地の活性化に向けた取り組みが行われている。
国が推進する地方創生という政策が行われて久しくなりますが、本当に創生した地方があるのでしょうか。当方はあいにく知りません。
地方創生とは、東京一極集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかけ、日本全体の活力を上げることを目的とした一連の政策のことをいいます。
創生の意味は、「作り出すこと。初めて生み出すこと。初めて作ること」
地方創生の雛形として「コンパクトシティ」というものがあります。中心市街地の一種の再開発事業ですが、大成功した事例があまり見当たりません。
2000年代、コンパクトシティの先進事例とされた青森駅前の複合商業施設「アウガ」は、その後テナントの撤退が相次ぎ、現在では市役所が入居しています。
複合商業施設、文化施設、病院などを再開発の核にする事例が目立ちますが、このなかで商業施設は上記したアウガの事例のように、中心市街地の活性化にもはや繋がらないのではないか、と思われます。
なぜなら、現在の消費行動はアマゾンに代表されるネット経由が中心となりつつあるからです。地方ならなおさらその傾向に拍車がかかっているはずです。
かつては、東京トレンドをそのまま地方に持って来れば、ある程度集客できていましたが、現在ではリアル店舗の存在価値が通じなくなっています。
百貨店、アパレルなどの流通小売業は、地方からリアル店舗を次々と撤退させています。再開発した商業施設にテナントが入らないことが容易に想像できます。
なお、商業施設はMD(商品政策)が要ですから、オフプライスストアの一大集積地として再開発すれば集客は可能かもしれません。(個人的な見解です)
アパレルから過剰在庫を仕入れて、超格安で販売する業態のこと。
とりあえず、広場をつくろう
富士見通りが、魅力的になるといいね
木更津市の中心市街地の活性化として、富士見通りの再整備が計画されています。老朽化したアーケードを撤去、歩道を整備した上で植栽し並木道にするそうです。
これは早くできるといいなと思っていますが、まだまだ先のようです。
道を整備しても、肝心の店舗がないという人もいますが、鶏が先か、卵が先かということとおなじく、逆もまた真なりといえるのではないでしょうか。
あくまで個人的な見解ですが、中心市街地の活性化は、これまでのような商業施設中心の再開発というハコモノではなく、並木道のような周縁環境の整備という雰囲気づくりを重視する方向性はありだと思います。
ショッピングモールには並木道はありませんから、屋外という環境を十分生かした環境づくりを推進することで、テナントは後追いしてくると思います。
広場がほしいね
さらにいえば、広場がほしいですね。中心市街地の活性化を端的にいえば、人が集う場とすることです。それには、やはり広場があるとぐっと価値が高まります。
木更津市の中心市街地に広場はありません。駅西口に広いバスロータリーがありますが、その場所が広場であれば、価値ある集客装置となるはずです。
広場は、多目的に使用出来るメリットがあります。歩行者は休息し、あるいは待ち合わせの場として、またイベントなどを鑑賞する、などなど。
主として歩行者等の休息、鑑賞、交流等の用に供することを目的とする公共空地である。
道(富士見通り)が整備されて、広場ができると中心市街地は、だいぶ様相が違ってくると思われますが、いかに。
バスロータリーはどうするのか、という疑問もあると思いますが、富士見通り沿いに移転できれば、道の賑わい創出につながるのではないかと思います。
とにかく、広場があったらいいなという単なる思い付きですので、詳細までは考えておりません、あしからず。
既存インフラの再整備とその利活用は、サステイナブル(持続可能)な中心市街地の活性化につながると思われます。
複合商業施設の場合、前述したアウガのように失敗すると負の遺産となりますが、インフラ整備とその利活用の場合は、未来につながります。
参考文献:「これでいいのか千葉県」鈴木ユータ/編
鈴木ユータさんは、木更津市出身の編集およびライターの方だそうです。
これでいいのか千葉県 鈴木ユータ
本書では千葉の新住民・原住民の生態を明らかにすると共に、房総を中心に各地域のさまざまな問題を取り上げ、さらに、関東の永遠のライバル(?)である埼玉県との比較を自虐まみれで論じた。多くの千葉県民の魂に刺さるであろう新たな「千葉論」に刮目せよ!!
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