コラム|古さを逆手にとる、きさらづもこれをやればよかたんだよ

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新しきものは、近場(東京)にウンザリするほどある

 埼玉県・所沢の西武園ゆうえんちがリニューアルするそうだ。その企画・開発の推進役に森岡毅氏を抜擢した。森岡氏は、あのUSJ(ユーバーサル・スタジオ・ジャパン)を低迷から救った実力派のマーケターである。

 森岡氏は、第三セクターの運営で集客が低迷したUSJを、映画のテーマーパークからエンターティメントのテーマパークへと変身させて業績を向上させた。

 ユニバーサルの持ち駒(映画)にこだわらない、というその手法は、当時では反対も多かったに違いないが、それを実行して見事に結果を出した。

 現在USJは、ディズニーに対抗できるまでの存在感となったが、その要因をつくった森岡氏は経営陣(外資)とのあいだで相違があり(推測)、その後退職し現在はマーケティング会社「刀」を率いている。

 そして、今回は西武と組んで昭和レトロな娯楽施設をつくるそうだ。

「古さを逆手に」西武園、100億円かけ昭和レトロ再現
 西武ホールディングス(HD)は23日、2021年に改装開業する西武園ゆうえんち(埼玉県所沢市)のテーマを「1960年代の懐かしさ」に設定すると発表した。来場客が低迷する西武園ゆうえんちを、約100億円を投じて改装する。

 今年開業70周年を迎える西武園ゆうえんちの再生に向けた改装のコンセプトは「心あたたまる幸福感に包まれる世界」。リニューアルで装いを新たにするが、あえて近未来ではなく過去を感じさせる施設にする。

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を再建した森岡毅氏が率いるマーケティング会社の刀(東京・港)と組む。森岡氏は会見で「最新テクノロジーからは程遠いが、古さという良さを逆手にとろうと考えた」と話した。

 森岡氏のマーケティング手法は、仮説に基づくロジックタイプではなく、数字を徹底的に分析するといわれている。データから得られた情報をもとに分析し、企画に活かすというタイプのようである。

 したがって、西武園のリニューアルもたんなる思いつきではないと思われる。

 昭和をテーマした娯楽型施設は、すでにナンジャタウンの福袋七丁目商店街(池袋/サンシャイン)、台場一丁目商店街(台場/東京デックス)などがある。

 しかし、それらはいずれもビル=屋内という閉ざされた空間での展開となっている。西武園ゆうえんちは、言うまでもなく屋外である。(たぶん)

 屋内と屋外の違い、これをポイントに外に開かれた空間を最大限に生かせれば、成功すると踏んだのかもしれない。(あくまで推測であるが)

 いわば歴史と文化は、商売として切り口になると考えたことが、想像できる。

地方のまちづくりへのヒント

 一方、地方都市のまちづくりを省みると、東京を模倣して新しいものを導入すれば、活性化するという手法を繰り返すばかりである。(一種の欧米化)

 例えば、ショッピングセンター、文化施設、マンションを再開発のセットにすれば、新規住民も増加して万々歳というわけだ。

 行政としては、財政および住民サービスの持続性を考慮すれば、住民数の維持、または増加を図らなければならない。

 少子高齢化する現在、新規転入する住民はどこに魅力を感じてやってくるか。

・職場がある、または近い
・土地や住宅など住居費が手頃である
・スーパーなどがあり、買い物が便利
・子育てがしやすい

 等々、ほかにもいくつかあるはずだ。これらを考えると、既存の再開発セットはあながち間違ってはいないかもしれない。

逆手という方法もある

 しかしもうひとつ、別の見方もある。既存の再開発セットの逆パターンである。

 例えば、地元の人たちがすっかり忘れた歴史や文化を紐解いてみる。そして、忘却の彼方となった歴史や文化を掘り起こし、古い建物を再生したり、その周辺環境を整備していく。さらにいえば街全体でなく、ほんの一部でもいい。

 この目的は、周辺地域との差別化にある。既存の再開発セットは無個性化を進めていく。たぶん、多くのまちが既存セットを採用するはずだ。なぜなら、開発しやすいからに他ならない。(詳細は省くがいろんな意味で)

「歴史と文化があるまち」と「無個性のまち」では、どちらが魅力的だろうか。

 これはいうまでもないと思うがいかに。繰り返すが「歴史と文化があるまち」といっても街全体を指しているわけではない。特定の場所に集約されていれば、その魅力と意味性を対外的に示すのに十分と考えます。

 しかしながら、多くの地方都市は、それがなかなかできない。これでいいのか、と気づいているはずですが、既存の再開発セットに流されていくようです。

 大きな流れには、かならず傍流がある(本流からはずれた流れ)。古さを逆手にとれば、そこに魅力が生まれてくる。

 なお、上記した内容は、あくまで私見であります、ご了承ください。
 
画像引用:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54756650T20C20A1XQH000/

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