界隈のレトロ建築を未来につなぐ
きさらづの界隈をゆく、失われたときがここにある
当サイトでは、木更津市に関する情報を若干自虐的にお届けしています。とくに木更津市中心街の寂れた様子とかを紹介していますが、それになんの意味があるかといえば、リアルな現状を把握することで見えてくる何かがあるからだ。
その何かといえば、ある意味では可能性と言うこともできる。はじめは、どーしようもない部分ばかりが目につくが、その中からふっと視点を変えてみると、これは案外いけるんじゃね、というものが少なからず発見できる。
当サイトの企画「きさらづの界隈をゆく」で、木更津市中心街の界隈を巡っているうちに、ある発見をした。それが、レトロ建築であった。そのレトロ建築の多くは木更津駅西口(みなと口)に点在している。
これには、「いまさらかよー」という地元の人達もきっと多いに違いない。
ちなみに当方は、数十年に渡って木更津から遠ざかっていた。木更津にいた頃(十代後半まで)に、きっと目にしていたはずのレトロ建築(まだ輝いていたはず)を、残念ながらほとんど記憶に留めていない。
とにかく、当時はまったく興味がなかったようだ。同級生の家の近くにあった(いまでもあるが)安室薬店でさえ、あまり覚えていない。
安室薬店といえば、木更津のレトロ建築を代表する建物であり、その存在さえ知らなかったことは、いまでは恥ずかしくもある。
その安室薬店は、見事な装飾を施した看板建築をいまに残す魅力的な建物である。テレビや広告のモチーフとして使われたりしているそうだ。しかしながら、建物は保存状態も良さそうに見えるが、事実上は活用されてはいない。(営業はしていないという意味。テレビやCM等などの使用料があり、別の意味で活用はされている)
レトロ建築は、地域の宝かもしれない
あるレトロ建築再生の経験者がいうには、保存よりも経済活動を伴いつつ、継続してゆくことの方が建物が長続きするそうだ。なぜならば、レトロ建築を維持してゆくには、修繕が欠かせないからだ。
その費用調達を考えると、保存を主とした行政等の助成金に頼るのではなく、自立してゆく道筋が必要である、といわれる。
残念ながら、木更津のレトロ建築の多くが、自立の道を諦めているように見える。それは、レトロ建築がいま存在する地区が、人が集まる商店街の体を失くしたことも要因であるに違いない。(かつては繁華街だったが)
それでも、旧金田屋洋品店(現・金田屋リヒトミューレ)という例外もある。
金田屋リヒトミューレは、現店主が建物を自ら蘇生させて、しかも商売を行う場として再生させた。これこそレトロ建築再生の道筋と言っても過言ではない。
街の魅力とはなにか、現代的で便利なだけが街の魅力ではないはずだ。そこにある歴史もひとつの魅力であり、それは他に変わることのできないものだ。レトロ建築は、実はうまく活かせば人を集める手段となる。
しかし、それを活かすことは、言うは易しであり行うは難しである。
頭では理解できても、どうしたらいいか、そしてそれを実行に移せない。それがきさらづのレトロ建築の現状であり、と同時に木更津市中心街(みなと口)の衰退となって表れている、という背景が現実ではないだろうか。
もったいない、惜しいことだらけ…
当サイトの「きさらづの界隈をゆく」で木更津の界隈を巡っていると、何度となく「これ何かに活かせないかなー」とか、「もったいないなー、惜しいなー」という思いに駆られる古い建物、街の景観、漂う雰囲気に出会うことがよくあった。
そのような想いが、次第に積み重なっていきました。
そして、いま「きさらづレトロ建築活性化委員会」という会に参加し、現実的な場において、レトロ建築の活性化、また木更津市中心街の活性化の一助となる企画と実行を通して、再生機運を醸成していきたいと考えています。
「きさらづレトロ建築活性化委員会」は、まだ活動実績はありませんが、企画はすでに素案ができています。これから、実施に向けて内容を精査していきます。
第一回は、レトロ建築の魅力と価値を再考する機会を創出することを目的としたイベントを開催する予定でいます。
テーマは、「レトロ建築を未来につなぐ」です。これは、レトロ建築を未来に繋ぐ機運を高めていこうというものになります。乞うご期待ください。
追記:
今年になって、はっきりした時期は判りませんが、看板建築の建物のひとつが取り壊されました。当方がその建物を撮ってから3ヶ月と経っていません。(上/金沢美容室)
きさらづレトロ建築活性化委員会について
当会は、非営利の任意団体であり、既存の既得権益とはなんの関係もない団体であります。会の目的は以下の概要をご覧ください。
現在、当会の目的に賛同する方々の参加を募っております。なお参加資格等は、後述した内容をご参照ください。よろしくお願いいたします。
いつまでもあると思うな、レトロ建築
きさらづには古い写真の中にではなく、いまそこに現存するレトロ建築がわずかではありますが、存在しています。それらの建物は、港町きさらづの歴史を継承しつつ、いまでも静かに時を刻んでいます。
しかしながら、それらの建物群も時代の経過とともに、建物の劣化が進み、その存在の存続が危ぶまれています。このままでは古い写真の中に仕舞い込まれてしまう日も近いかもしれません。それは港町きさらづの危機ということができます。
失くしてから、その価値に気がついても、それではすでに時に遅しであり後悔の念先に立たずとなります。やがてきさらづの未来を担う人たちに、きさらづの歴史をつなぐ役目が現在の人々にはあるのではないでしょうかーー。
きさらづレトロ建築活性化委員会
上記した背景を踏まえ、この度非営利の任意団体を設立いたしました。
名称は、「きさらづレトロ建築活性化委員会」といいます。
会の目的は、大きくわけて2つあります。
1)レトロ建築の魅力と価値を再考する機会を創出すること。
これは、レトロ建築を未来に繋ぐ機運を高めていこうというものになります。
2)レトロ建築を活かす道筋をシステム化する。
現状を把握し、情報化することで活性化に役立つシステムを作り出すこと。
<その他概要>
木更津に残された歴史を継承する建物「レトロ建築」を未来に繋いでゆく、と同時に木更津市中心街の活性化を促していく活動をしていきます。
その理念は、「レトロ建築を未来につなぐ」という概念に集約されます。 それは港町木更津の歴史を継承しつつ、魅力ある街づくりを目指すという意味です。
地域固有の魅力を強化することが、地方の生き残りに繋がるひとつの方法ではないか。「レトロ建築を未来につなぐ」とは、けっして建物の再生や活性化のみならず、地域活性化に繋がっていくものと考えます。
会の規約概要
運営規約から一部を抜粋し以下の様にご案内いたします。
会の目的について
当該非営利の任意団体は、千葉県木更津市の未来に何が必要かを問うと同時に、いますべき事柄を企画・提案・実施してゆく、という活動を行っていきます。
その一つには、木更津の歴史を継承する建物である「レトロ建築」を未来に繋いでゆく、という機運を醸成していくことを目的といたします。
その他には、木更津市中心街を活性化する企画とその実施を行っていきます。
<活動内容>
1)木更津のレトロ建築を活性化する機運を醸成してゆく活動を行う。
2)木更津のレトロ建築を活かす情報収集、企画、開発、運営等の活動を行う。
3)木更津市中心街の活性化に役立つ企画とその実施。
※以上の活動を「非営利」で行っていくものとします。
会員について
1)当会の目的、および活動内容に共感し賛同することを参加の条件とする。
2)木更津市在住の市民を中心に、周辺地域の方々の参加も歓迎する。
3)老若男女問わず、ただし原則として18歳以上とする。(未成年は親の承諾を得ること)
会費について
年間1000円とする。(加入した日から1年間)
※会費は、原則として運営活動費に充てます。その他、参加した会員のみなさまへのお礼は、これから考えていきたいと思います。
予告!界隈のレトロ建築/イベント開催の予定
きさらづの界隈をゆく、失われたときがここにある
界隈のレトロ建築/イベント概要
目的:現存するレトロ建築の魅力と価値を再考する機会を創出すること。
:レトロ建築修繕費クラウドファンディング。
内容:現存するきさらづのレトロ建築=「写真とアートと言葉」で伝える展示型のイベント。
特別開催:きさらづの歌姫「松本佳奈」さんによるミニコンサートと写真の展示を行います。(松本佳奈さんは、まだ企画であり確定ではありません)
その他:来場者には、レトロ建築の現状に関する資料を配布いたします。(きさらづ西口名所マップ含む)
場所:人参湯(現存するレトロ建築)、候補であり確定ではありません。
時期:9月(予定)
なお、上記内容は確定したものではありません。(松本佳奈さん、ほか)あくまで、まだ企画段階であり、これから内容を精査していきます。その後、企画書の内容を公開したいと考えます。
また、イベント実施費用をクラウドファンディングで募集する予定でいます。その際には、当サイトでも告知いたします。ご協力いただけると幸いです。
以上、よろしくお願いいたします。
企画:きさらづコンティニューズ
企画協力:金田屋リヒトミューレ
写真:cragycloud
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